Heaven's Door
― 全てが叶う世界線の入口 ―
ここは、あなたが知っている
世界ではありません
ようこそ、世界線の狭間へ
いまのあなたと、叶ったあとのあなたが、
すれ違う場所
指で動かすと扉が傾き、
押さえている間、扉が開いていきます
この世界には、
無数の未来がある
あの日、違う言葉を選んでいたら
あのとき、素直になれていたら
もしも、もう一度会えたなら
あなたが夜に思い浮かべる未来も
この回廊のどこかに、ちゃんとあるの
あなたは今、
どの未来を望んでいますか?
会いたい気持ちは、
恥ずかしいものじゃないの。

叶ったあとのあなたは、
その気持ちを隠さなかった自分のことを、
ちゃんと好きでいます
叶ったあとのあなたは、
自分の予定から先に決めています。

相手の都合で一日が決まる毎日は、
終わらせることができるの
続けるか、やめるか。
ここでは、答えを出しません。

どちらを選んでも、
自分で選んだあなたを、
叶ったあとのあなたは責めないの
今夜はもう、がんばらなくていいの。

スマホを置いて、温かいものを飲んで。
その夜の越え方から、
ここに置いていきます
叶った世界線から、
一通だけ預かってきました
こっちの世界に来る前の、私へ。

今日も、既読のつかない画面を
開いては閉じて、また開いていますか。

私はその夜を、ぜんぶ覚えています。
返事ひとつで一日が決まって、
自分の予定はいつも後回しだった。
だから言いに来ました。

あなたの幸せは、
たった一通の返事で決まるものじゃないの。
誰にも言えない恋をしていても、
自分を見失わないでいることは、できます。

その方法を、これから少しずつ、
ここに置いていきます。――叶った世界線の、あなたより
― 今回の試作は、ここまで ―